2016年12月31日土曜日

ETS手術を受けようという人へ①

ETS手術を受けた人で、手術を受ける前に私のブログを参考にしたっていう話を聞きました。
私が受けた当時と今とではETS手術に対する考え方もやり方も変わっていると思います。
なので、全てが当てはまるかどうかは分かりませんが、私からもETS手術を受けようという人に対してメッセージを書いておこうと思いました。

私はETS手術に否定派です。
リバーサル手術まで受けた人がETS手術を勧めるということはありえないですね。
ですので、全力で受けない方がいいとお伝えしています。
それでもどうしても受けたいという人がいます。
そういった人たちに向けて、私ができる最低限の忠告とアドバイスです。


ETSをする前に試して欲しいこと
ETS手術をする前に塩化アルミニウムとイオントフォレーシスは必ず試して欲しいです。
これで何とかなるのであれば、手術をしなくて済みます。
また、プロバンサインを使うという手もあります。代償性発汗のために使っている人が多いですが、手汗や足汗でも効くはずで、大事な時だけでいいから止めたいということならば、こういった手を使うのもあるのではないかと思います。お守りとして持っているだけでも効果があるって言う人もいるぐらいです。


ETS手術で焼き切られる神経
神経はこのように焼き切れます。(これは海外の動画で T2 / T3 / T4 を切除しています)

焼き切れた神経はもう元に戻すことはできないです。
こんなだとは知らなかった。これを見ていたら受けなかったという人もいました。


ETSの切除位置
全ての医師のコンセンサスの取れた切除位置というのは確立していないようですが、手の汗のための切除位置は一般に T2 と T3 と言われています。T4 は脇の汗のための候補になるとはいえ、 T4 だけでは手の汗は十分に止まらないと塩谷先生に聞きました。T2 は代償性発汗が強く出ますから T3 を切除するのが最適解じゃないかと思うのです。
なお、切除部位をレントゲン等で確認する手法はないようです。


代償性発汗
ETSを受ければ代償性発汗は100%発生します。
満足度は手汗がなくなったことに対して代償性発汗が受け入れられるかという基準になり、個々の判断じゃないかと思います。病院が公表する満足度は病院の意図が組み込まれているため、一般の患者の満足度通りとなっているかどうかは分かりません。
また、代償性発汗は年を追うごとにひどくなることがあります。


片側遮断で満足できるか?
この問題は大きいです。
まずは利き手で行うと思いますが片側遮断では代償性発汗の程度が少なくて満足することが多いのです。(もちろん片側のみでがっかりし、リバーサルを受けた人も何人もいます。)
片側遮断をすると顔の汗の左右差など別の悩みが新しく出るかもしれません。両手とも汗を止めたいって思うかもしれません。

しかし両側遮断するとこうなると思うのです。
片側遮断にしたときには代償性発汗もそれ程気にならなかったとしても、両側にしたら致命的になることがあるというのはこういうことだと思っています。


致命的なETSの後遺症とは
激しい代償性発汗で夏の外出が制限されます。
衣類はいかに汗が目立たないかでしか選べなくなりますし、におい対策に必死になります。
味覚性発汗で人前で辛いものを食べれなくなります。
夏は頭がのぼせて辛くなります。冬は手が冷たくなります。
覇気の消失、気力の低下、感情の変化が起きます。


今は昔のようにはならないというのは事実か?
昔は T2 / T3 / T4 を切除するということをしていた時期がありました。それと比べれば、今は昔のようにはならないというのは事実かもしれません。ですが、耐えられない量の代償性発汗は近年ETSを受けた人でも起きています。両側T3切除の方でフィンランドにリバーサルを受けに行く人はいます。


ダメだったらリバーサルがあるからと言えるか?
言えません。断言できます。
フィンランドで受ける場合の費用は150万円以上かかります。うまく行かないリスクもありますし、回復には時間がかかります。15年たった今でさえ私はまだ回復途中です。


私が勧めるETS手術医
と、これだけ受けない方がいいと強く伝えましたが、それでもどうしても受けるという場合には、私はETS手術のことを真摯に取り組んで勉強を行っている「日本胸腔鏡下交感神経遮断研究会」を勧めます。

私のリンク集(右欄にあります)にもこの研究会へのリンクがありますし、サイト内のリンクでは北海道から九州まで各地域別に病院がリストアップされ紹介されています。

私が国内でリバーサル手術の実現をお願いしている塩谷先生は、この研究会の代表幹事(会長さん)になります。


では。

まるとん


タイトル「ETS手術を受けようという人へ」は現在5部作となっています。

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